もっと詳しく!はんだ付けを学ぶはんだこての選び方
はんだ付けとは?
はんだ付けは、はんだに熱を加えて金属同士を合金接合することです。
はんだこてとは?
はんだこては、はんだに熱を加えて金属同士を合金接合する「はんだ付け」を行うための道具です。
用途にあわせて様々な種類があります。
写真のはんだこては、左から以下の通りです。
- HAKKO FX-600 (セラミックヒーター)
- HAKKO RED (ニクロムヒーター)
- HAKKO JUNIOR (ニクロムヒーター)
はんだ付けできる金属、できない金属
はんだ付けできる金属
はんだ付けできない金属
アルミ、チタンなどです。
はんだこての種類
ヒーターの構造から「ニクロムヒータータイプ」「セラミックヒータータイプ」の2種類に分けることができます。
用途や使用頻度に合わせて適切なはんだこてを選びます。
ニクロムヒーターとセラミックヒーターの違い
- ニクロムヒーター
- こて先にニクロム線を巻いて外側から加熱します。
セラミックヒーターより熱容量があるため、金属の接合などに適しています。
また、安価であることから学習キットやご家庭でのご使用にもおすすめです。
ニクロムヒーターのはんだこては、こて先がはんだ付け温度に到達するのが、セラミックヒーターに比べ遅くなります。
5分以上待つことで、はんだ付け失敗のリスクを減らすことができます。
安全のため、こて台のご使用をおすすめします。
- セラミックヒーター
- タングステンで作ったヒーターをセラミックで包んで、こて先を内側から加熱します。
絶縁性に優れ、ICなどのデリケートな電子部品のはんだ付けに適しています。
ニクロムヒーターに比べ、グリップからこて先までの長さが短く、鉛筆を持つような感覚で作業が可能です。
こて先がはんだ付けできる温度に到達するのが早いのも特徴の1つです。
写真のはんだこては、左から以下の通りです。
- HAKKO FX-600 (セラミックヒーター)
- HAKKO RED (ニクロムヒーター)
- HAKKO JUNIOR (ニクロムヒーター)
金属関連におすすめのはんだこて
金属のはんだ付けには、ニクロムヒーターはんだこてがおすすめです。
ニクロムヒーターだと消費電力のバリエーションが広く、用途にあったはんだこてを選ぶことができます。
白光のはんだこてなら、金属のはんだ付け用は30Wから500Wまでのバリエーションがあります。
消費電力からはんだこてを選ぶ
ニクロムヒーターは、消費電力が上がると、こて先温度も高くなるのが特徴です。
それを考慮に入れ、はんだ付け対象物の大きさにあわせて選びます。
銅線、真鍮線などの太い配線や金属のはんだ付けなら60Wがおすすめです。
銅、真鍮、ブリキなどの金属のはんだ付けなら80W以上がおすすめです。
同じ80Wでもこて先の太いものを選びます。
ステンレスは放熱しやすい特性があるため、100W以上が目安です。
同じ100Wでもこて先の太いものを選びます。
電気関連におすすめのはんだこて
電子部品(IC、基板、精密部品など) のはんだ付けなら絶縁性に優れたセラミックヒーターはんだこてがおすすめです。
初めてのはんだ付けだったり、電源コードやスイッチ配線など、ご家庭でのはんだ付けならニクロムヒーターでもかまいません。
用途からはんだこてを選ぶ
簡単な電気配線、抵抗やスイッチなら以下のはんだこてがおすすめです。
- ニクロムヒーターの20~30W
- セラミックヒーター全般
トランスなどの大型部品などには以下のはんだこてがおすすめです。
- ニクロムヒーターの40~60W
- 温度を設定できるセラミックヒーター全般
IC、基板、精密部品などには以下のはんだこてがおすすめです。
- セラミックヒーター全般
鉛フリーはんだを使うなら、以下のはんだこてがおすすめです。
- 温度を設定できるセラミックヒーター全般
温度を設定できるはんだこて
写真のはんだこては、温度を設定できるセラミックヒータータイプのはんだこてHAKKO FX-600です。
温度を設定できるため、鉛フリーはんだも良く溶けてストレスなくはんだ付け作業ができます。初心者の方にもおすすめです。
鉛フリーはんだは、鉛が全く含まれないため環境にはやさしいのですが、「はんだが拡がりにくい」「融点が高い」などの面があり、鉛入りはんだに比べるとはんだ付けしづらい点があります。
また、こて先の酸化や侵食のスピードが早くなります。
それらをカバーするには、できるだけ低い温度で正確な温度管理ができる、温度調節が可能なはんだこてが必要なのです。